語学の習得について従来から日本人は読めるが話せないので会話の練習が必要と言われることが多いのですが、結論から述べると読みが足らないから聞くのも書くのも話すのもなかなか上達しないのではないかと思います。
まず会話が成り立つためには相手の発言が聞き取れることが必要ですが、ここで読めるのに聞き取れない場合の多くは読むスピードが聞くスピードに追い付いていないと思われます。聞くスピード以上のスピードで読めるようになって初めて聞き取れるので、対策としては読む練習を沢山するということになります。
次に書くと話すについてもシンプルですが、表現のストックがないとアウトプットはできません。これも対策としては幅広い分野の文章を読むということになると思います。
上記は母国語を考えてみればある意味当然のことで、文部科学省の調査によれば小学校だけでも教科書のページ数は9,000近いとのことで、他にも読んでいるとすれば、外国語を学ぶ際にも少なくとも1,000ページの単位で読む必要があるのではないでしょうか。
教育
公教育の供給不足による格差拡大
かつて東京等に学校群制度がありました。最も不適切な政策の一つだったと思います。
これは公立高校間の格差を是正しようとして導入当時に偏差値が高かった高校と低かった高校をペアにした群を設け、受験は個別の高校ではなく群について行うというものでした。そうすると高偏差値高校に行きたくても同じ群のもう一方の高校に行かなければならない可能性も相当あり、高偏差値高校に行きたかった層はやむなく私立や国立に流れるか、公立高校には行くが大学受験のために塾にも通うことになりました。
これはハイレベルな教育を受けたいというニーズがあるのに公教育では供給しないこととした結果、民間が供給することになったもので、公立高校間の格差をなくせば問題解決と考えていた政策担当者等の認識不足でした。結局私立の学校や塾の費用を賄える層のみがハイレベルな教育を受けられるという格差拡大になりました。